SSDはどうやってデータを記憶してるの...

 今更ですが、SSDってどうやってデータを記憶してるの?

 HDDはディスク上の磁性体の磁化状況で0/1を記憶してますが、SSDはどうやってるのと興味が湧いてきました。その辺の状況が分かればSSDの突然のトラブルの理由もわかりそうな気がしたものですから...。

 WikipediaSSDの記憶素子であるフラッシュメモリについて、おいら見てみました。こんな絵が出てきました。へぇー、なるほどねとすぐに納得できるほどおつむの回転は速くはありません。説明をよく読まないとね。

イメージ 1
画像は借り物です


 この図について、以下のように記されていました。

書き込み時
 ソースをGNDに接続して、ドレインとゲートに高電圧を印加する。
ホットエレクトロンはソース側から浮遊ゲートと基板間のゲート絶縁膜をすり抜けて浮遊ゲートに留まる。

イメージ 2
画像は借り物です

 この図について、以下のように記されていました。

  • 消去時
  • ソースを開回路状態に、ドレインに高電圧を印加し、制御ゲートをGNDに接続する。
  • すると、浮遊ゲート内の電荷はドレイン側に引き抜かれる。


 ざっくり言うと、フラッシュメモリの記憶エネルギーはfloating gateに蓄えられる電荷量と言うことになります。この電荷量は書き込み時にのみ蓄えられ、時間とともにゆっくりと放電されてやがては無くなってしまいますので記憶されたデータもなくなってしまいます。

 また書き込みを繰り返すにつれて劣化しますのでやがては正常に書き込みできなくなります。現実的にはそれらの時間がある程度長ければ実用上あまり問題にはならないのかもしれません。それらの時間についてはメーカの公表しているデータを拾うしかないかも知れませんね。

 なるほどフラッシュメモリを使用しているSSDが劣化するという仕組みと言うか、原理が理解できました。

 フラッシュメモリのデータ保持期間について、Wikipediaには次のようにありました。フラッシュメモリはまだまだ成長中の技術ですので必ずしも最新技術に対しては適切ではない部分もひょっとしたらあるかも知れませんが...。

引用開始=========================================
保持期間
フローティングゲートに充電した電子によって情報を記憶するという構造のために、書き込まれたデータの保持期間は有限である。メーカーの公称値では、書き換えによって劣化していない状態(書き換え限度の10%以下)で数年(TLC・5年(MLC)・10年(SLC)、書き換え限度まで達した状態から1年となっている[3][4][5]。これは環境の影響を受け、高温や放射線のあたる環境下においてはソフトエラー(英語版)が発生[6]して保持期間は通常よりも短くなる(条件次第では使用不能もありうる)。

NOR型であれば一般に20年程度の保持期間を持ち[7]、BIOSなどのファームウェアに使われている。ただし初期のフラッシュメモリ製品は既に20年以上が経過しており、保持期間が有限であることに変わりは無い。なお、これらの保持期間は最後に書き込んで以降の時間を示すものである

 さて、USBメモリも同じようにフラッシュメモリを使用しています。どうりでUSBメモリはデータの長期保存には向かないとしている理由が良く判りました。
引用開始終了=========================================


 ざっくり言うと、大抵のSSD(NAND型のTLCタイプ)なら、劣化してなければ、書き込み後数年程度は保持できるようです。劣化してると1年と読み取れます。

 都合の良い見方をすれば、劣化してても1年以内に書き替えしてる限りは使えるんだと...。ときどきデータ更新などで別の部分に書き込んで保存しているデータならばその通りなんでしょうが、一度書いたらそのまんまなんてデータがもしあったら、どうなるんでしょうかしらねぇ...。



 やっぱり数年程度で消えてなくなるんでしょうねぇ...。



 で、その一度書いたらそのまんまと言うデータなんてのはあるんでしょうか。あるかも知れませんね。例えばファイルシステムに関するフォーマット情報とか、永久保存するつもりでため込んだデータとかは、作成中の文書データと違い上書き保存される可能性はないでしょうから...。

 もっとも、SSDは書き替え自体によっても劣化するとあります。全体を丸ごと何回も書き換えられるほど大丈夫のようですが、ほとんど書き換えることのないファイルを多く保存しているようなSSDの場合は、書き替えにに提供できる部分がその分少なくなるので、思ったほど長持ちはしないと考えるのが妥当なのかもしれません。

 前の記事でご紹介したCSSD-S6B480CG3VXについて見てみました。TBW値はなんと155TBもあります。ちょっち乱暴な言い方ですが、0.5TBのSSDですので全体を300回も書き替えられる耐久性がありそうです。

 毎年一度SSD同士でクローン作製しておけば、一度書いたらそのまんまの部分の書き換え対策にもなりそうです。丸ごとクローンでも300回程度のTBWがあるんなら、10年くらいは楽勝かも知れません(10年以内には陳腐化して買い替えする確率の方が高いかもしれませんけどね)。

 まぁいろいろ考えて二の足踏んでいるよりもSSDによる高速化の恩恵を享受するほうがずっと幸せと言うものでしょうなぁ...。HDDによる定期的なバックアップもどうぞお忘れなく...。